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2010-07-11

な、なんだよ、それ・・・・・・。

02_例えば21


 ついに『蒼穹の昴』が最終回だったわけだが・・・・・・。
 ・・・・・・。
 そりゃないだろう、と。
 先ずは、原作はこんなもんじゃないことをお断りしておきたい。全く違う。原作は「え?なんでこっちで直木賞じゃなかったの?」と思うぐらいの傑作である。
 んで。
 最終回だが、ここに来て本当にイヤになった。あの国の「革命史観」の浸み付き具合は洒落になっていない。
 改革に失敗した梁文秀が、最後の最後で、民の幸せさえ考えればいい、皇帝や清朝がどうだとかは関係ない。難しく考えすぎていた!新しい時代が来るんだ!酔いから覚めた!!みたいなことを口走っていた。
 本気か。
 一々つっこむのもアホらしいぐらいアホだが、一応書いておこう。国を豊かにすることが第一目的であることは正しいとして、大事なのはそれをどのように行うか、だろう。理想さえ正しければそれで万事うまく行くわけがないのである。
 前近代国家を近代化して国民の生活を豊かにしようとするなら中央集権化した上での開発独裁がポイントとなるが、清朝無くしてそれが可能な主権政府を創出出来る、と?実際どうだったよ。軍閥がみんな孫文や袁世凱の言うことを聞いたのかよ。
 革命を肯定するのであれば、せめて清朝では出来なくて民国なら出来そうなことをレイシズムに関する部分抜きで説明してからだ。探せば有るんだから、ちゃんと踏まえてから、言え。
 また、国を豊かにしようとして理想主義で突っ走ってハードランディングでこけたのがお前らだろうが。反省してないのか。
 と、フィクションのキャラクターにつっこむこと暫し。
 続いて西太后の夢の中で光緒帝が、西太后の四十年はその無能ぶりを世界に知らしめただけだ、と言った。
 西太后がいなかったら曾国藩や李鴻章の抜擢は難しかったろうし、引いては軍備と産業の近代化がずっと遅れていたと思うがどうか。
 結論すると、そんなにお前らは清朝が嫌いか、と。
 お前らが知っている清朝とは、阿片戦争で負けて外国の言いなりになり、不正が横行する王朝としての面だけじゃないのか。
 列強との交渉が本当に惰弱なものでしかなかったのか。不正がどうして行われ。またそれが末端財政の次善策として機能し、しかもある程度民衆から支持されていた背景は何か。
 もっと腹が立つのは、さんざんこきおろしておきながら、こうしたネガティブな面を改善せんと取り組み、且つ一定の成果を収めた光緒新政(光緒帝在位中のことなのでそう呼ぶがドラマで扱われた時代以降に実施された西太后政権による改革)についてすっとばし、いきなり1912年の話をしていたことである。
 史料まで遡れとまでは言わないが、少なくともこの二十年ほどの日英米の研究を概括すれば、こんなに荒い語り方は出来ないと思うのだが。
 はっきり言って残念な作品であった。清朝批判をすること自体はもちろんそれぞれの考え方なのでかまわないが、その論拠が明確でなく、稚拙である。
 どう見ても「革命史観」の正当性を前提とした表現であった。しかも最終回になっていきなりどんどん打ち出して来やがる。
 日中共同制作らしいが、とにかく、これはおそまつだった。
 せめて近代中国史ブームの火付け役にでもなって頂ければ幸甚である。
「やっぱりここは、僕達を絡めるしかないじゃないですか?プロデューサー。へへっ!」
 情けない話だが、そんな気もしないでもないよ。
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