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2010-08-17

致命的な脚本ミス。

03_ぶつかって40


 コミケのおかげで録画となりました『龍馬伝』を消化しました。
 結論から言いますと、今回は出来が悪かったですな!!
 致命的なのは、竜馬の台詞に有った脚本のミス。
 グラバーに薩長同盟について説明する時、「薩長が幕府にとって代わる」と言ってしまった。
 これ、第二部の議論と全く逆のことを言っている。完全にアウトである。
 第二部の議論を簡単にまとめると、中央集権制国民国家としての「日本」を創出する必要性、即ち統治システムを近代化する必要性であった。
 それってつまり、幕藩体制を解体し、「日本」政府の下に全ての「国民」が均質的に支配されることに他ならない。間に藩と言う地方政府を挟まないことである・・・・・・と言うのは拙ブログでは何度も繰り返したので、ここでは繰り言せぬよう心がけることとする。
 わしは心情的には佐幕派だが理性面では公武合体派である。その理由は、幕藩体制では近代化が不可能だから。
 逆に言うと幕藩体制さえ壊れれば近代化は可能、つまり本質的には大政奉還でゲームセットだったわけで、戊辰戦争の意義がよう判らず、徳川家をいじめて中央官僚を減らせば天下泰平と考えていたならお粗末だよなあ、と思うのである。だから心情的には佐幕派なのだ。
 んで。
 話を『龍馬伝』に戻すと、「薩長が幕府にとって代わる」のでは何にも意味が無いことが御理解頂けるだろうか。
 薩摩も長州も一地方政権に過ぎない。それが幕府にとって代わって、何の意味が有るのか。今度は島津と毛利から征夷大将軍を出すのか。幕藩体制は維持するのか。
 脚本に対して好意的に、あの台詞は「薩長が幕府にとって代わって幕藩体制を解体する」の意と読みとっても、やはり疑問が残る。中央集権国民国家の主権は「日本」に帰すべきであり、それが「幕府」だからおかしかったのであって、「薩長」でもおかしい。特定の地方に偏重することなく中央政府としての「日本」を建設しなければいけない。よって、あの台詞は「『日本』が幕府にとって代わる」と言わなければいけなかっただろう。
 また、その後の「日本を守るにはこれしかない」と言うのも、ややおかしい。確かに幕藩体制の解体は必要不可欠であったが、幕府自身は前近代的な兵役請負制に基づく統治システムの限界を理解していた。だからこそ旗本を仏式の歩兵隊へと再編せんとしたのだ。
 つまるところ、幕府も幕藩体制が限界であることは理解していたわけで、物凄く極端に楽観視すると、ほっといても統治システムの再編ぐらいはどうにかなったんじゃないか、と思うのである。難しいか。
 最後に、これは個人的な趣味の問題だが、グラバーを金儲けの権化のように扱い、竜馬達を私利私欲の無い聖人のように描くのが気にくわない。
 上記の「日本を守るにはこれしかない」発言もだが、そこまでして竜馬を正当化したいのか。竜馬をヒーローにしたいのか。台詞回しで視聴者に善悪のイメージを植え付けるのではなく、きちんと議論と考証を重ねて、その上で視聴者に判断を委ねるべきではないのか。それだとフィクションとしての面白さは減るだろうが、今回のやり方は余りにもえげつない。
 なんだよ。真の竜馬を見せてくれるんじゃなかったのか。制作者にとっての真の竜馬とは、ステレオタイプなイメージよりも遥かに先進的で、豪胆で、無欲なだけなのか。
 そりゃないぜ。
 とにもかくにも、今回はひどかった。ファンだが、とてもフォロー出来るものではなかった。
 この方向性で残り数ヶ月見ろ、と言うのか。ファンだけに辛い。第二部までの出来が神がかっていただけに辛い。
「・・・・・・あれ?信仰規制の話には触れないんですか、プロデューサー?」
 神道と政教分離について触れざるをえなくなるじゃない。前者は時節柄やばいし、後者は時節に関係なくそのテの人がやばいじゃない。ここらでコミケの戦利品でも読もうよ、まこまこりん。
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theme : ヲタク人日記
genre : アニメ・コミック

comment

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No title

>ここらでコミケの戦利品でも読もうよ、まこまこりん。

えっ
一緒に読むんですかw

イエス!

 SE-KU-HA-RA!!
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